線維性骨異形成症と診断されたけど、これからどうなってしまうのだろう…?
と心配になっていませんか?
私は実際に15歳(2005年頃)の時に右上顎骨(顔の右頬にあたる部分)の線維性骨異形成症と診断されてから、手術を2回経験し、今に至ります。
この記事では
線維性骨異形成症に気づいたきっかけ〜手術2回〜現在に至るまでの経緯
についてお伝えします。
あくまでも私の実体験の実記録になりますが、
- 線維性骨異形成症と診断され、これからの生活が不安な方
- 手術を勧められているけれど、どんな手術になるのか、術後の経過はどうなのか、気になる方
の参考になると思います。
この記事を読むと、線維性骨異形成症の経緯がどのようなものかがわかります。
それでは詳しく解説していきます。
線維性骨異形成症について
線維性骨異形成症は骨が異常に成長し、奇形や硬化が起こる病気です。
線維性骨異形成症ってどんな病気なのか、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてくださいね。
線維性骨異形成症に気づいた時期ときっかけ
私が線維性骨異形成症…というより単純に「顔の違和感」を覚えたのは、中学1年生(2003年頃)の時でした。
友人とプリクラを撮っていたのですが、右向きの顔と左向きの顔があまりにも違いすぎたのです。
「何かおかしい」と気づいた私は、両親に相談しました。
そうすると、
お父さんはもっと早くに「あれ?」と思っていたよ
と父に言われました。
それと同時期に、母は母で、ずっと治療している「顎変形症(いわゆる噛み合わせの悪さ)」が一向に改善しないことを不思議に思っていたそうです。
そこで、当時、歯の噛み合わせを診てもらっていた歯科医院で相談することにしました。、
歯医者さんには【これは「歯」の問題ではない】と言われてしまったんです。
その後、母は新聞の「お悩み相談」に、私の症状のことを寄稿しました。
すると、【それは「線維性骨異形成症」という病気の可能性が高いです】というお返事をいただきました。
お返事をいただいた先生の当時いた病院に何度か通い、
骨の成長が止まる成人になると、線維性骨異形成症による骨の異常な発達も止まります。
その時に、手術をしましょう。
という話をして、手術は大学生になってからすることになりました。
それまで
球技は禁止!顔に当たるとその骨が砕けて脳に刺さる可能性がある!
と言われて、喘息も持っている私はほとんどの体育の時間を見学して過ごすことになりました。
線維性骨異形成症の手術(1回目)
当時の主治医の異動も関係し、はじめての手術は「京都大学医学部附属病院」の形成外科でお世話になり、実施することになりました。
手術の内容
右頬の異常に膨らんでいる部分の【外側のみ】を削る手術を行いました。
右目の下のラインと口の中を切開し、そこから器具を入れて骨を削ります。
といっても、私自身は全身麻酔と気道挿管による酸素供給で完全に意識はありません。
どれくらいの時間かかったか忘れてしまいましたが、無事に手術は成功しました。
術後の経過
骨を削っているので、ある程度顔が腫れるのは覚悟していました。
しかし、顔の右も左もパンパンに腫れて、完全にアンパンマン状態でした。笑
そして、一度、顔の皮を浮かしている状態なので、ご飯を食べるときなどの下を向くときは【剥がれ落ちそう!】という感覚になりました。
ただ、痛みはあまり感じず、痛み止めを飲むほどでもありませんでした。
3〜5日もすると、顔の腫れも治り、ご飯も固いものがしっかり噛めるような状態になっていました。
・・・
しかし、骨の成長が止まるのを待ってから手術をしたのにも関わらず、私の右頬は術後も異常な成長は止まりませんでした。
ののさん(作者)の線維性骨異形成症は、【教科書に書いてあるとおりの「成長が止まると発達が止まる骨」ではない】のかもしれません。
主治医にこう言われたときは、かなりショックでした。
しかし、これだけの手術をしたのだから、これでダメなら仕方ないのか…と諦めの気持ちも大きかったです。
線維性骨異形成症の手術(2回目)
1回目の手術から約5年後。
私は線維性骨異形成症の手術をもう一度受けました。
2回目の手術を決めた理由
私は入籍をし、大阪に引っ越しをしました。
大阪には【大阪大学医学部附属病院】があり、そこの形成外科に線維性骨異形成症に精通するお医者さんがいるということを聞いたのです。
京大病院での手術以降、経過観察のために京大病院に通っていました。
しかし、手術をしてくれた形成外科医は自分のクリニックを持つために病院を離れてしまっていました。
私にとって京大病院で引き続き診てもらう意味がなくなっていたのです。
そこで、入籍をきっかけに、阪大病院に転院をしました。
そして、それと時を同じくして、私は右頬に痛みを感じるようになったのです。
阪大病院に通院し、痛みを訴えると、新しい主治医は
表面に出ている骨を削るだけではなく、目の下や鼻の中などに広がっている異常な骨を全て取り除く手術をしましょう。
と提案してくれました。
手術の内容
右頬の異常に膨らんでいる部分の【外側】だけではなく、右目の下にある異常な骨や右鼻の中を塞いでいる【内側】の骨まで、病的な骨を全て取り除く手術を行いました。
そして、正常な骨を繋ぎ止めるために、右頬部分に医療用チタンが入ることになりました。
異常な骨があまりにも大部分を占めている場合は、大腿骨(太ももの骨)から正常な骨を移植します。
【術後の顔の痛みよりも先に、足の痛みと歩けない辛さがしんどいかもしれない】とも言われ、手術にはかなりの覚悟を要しました。
結局、私の右頬には多くの正常な骨が残っていたため、大腿骨の骨を触ることはありませんでした。
術後、目が覚めて一番初めにしたことは、脚を触ることでした。
【痛くないし、切られてない】と気づいた時には、かなりホッとしましたね。
術後の経過
2回目の手術でも案の定、顔は右も左もパンパンに腫れました。
そして、意外とダメージが大きかったのが【複視(ものが二重に見えること)】でした。
なぜなら、右目を支えていた骨のほとんどが異常な骨だったため取り除いたことで、目玉の位置が下がってしまい、物の見え方が変わったからです。
【目玉の位置が下がる=目玉の位置が正常の位置になる】だったのですが、ものが普通に見えないということのダメージは大きかったです。
そして、この2回目の手術でかなりの神経を触ってしまったらしく、右頬の触覚がぼんやりしたり口の中の右上奥は触っても何も感じないような麻痺が少し残りました。
・・・
しかし、術後1週間、まだ入院している最中の術後CT検査で【すべての骨が元に戻っている】状況を目にしました。
骨を切除した部分に一度血が溜まったのですが、その血の部分がすべて骨になっていました。
目の下も鼻の奥も全てです。
かなりの衝撃を受けました。
あ、もう、生死に関わらないのであれば、手術はしないでおこう…
そう心に決めました。
線維性骨異形成症の現状
現在も定期的な経過観察は阪大病院にて行ってもらっています。
頻度は1年に1度ですが、CT検査は2年に1度行っています。
そして、とことん私は教科書通りでないらしく、痛みがあるため、痛みのコントロールのための投薬治療も行っています。
本来であれば、異常な骨の成長は大人になったら止まりますし、症状の出ている箇所が痛むようなことはないそうです。
ただ、最近は私のような例外の患者さんもちょこちょこいらっしゃるようですね。
痛みがひどくなるようなことがあれば、また手術を考えなければなりませんが、それまでは現状維持で日々を過ごしていく予定です。
まとめ:線維性骨異形成症の体験として知りたいこと募集してます
私が線維性骨異形成症と診断された当時は、この病気は主に脚にできる病気でした。
現在では顔や頭部にできるケースも増えてきていて、頭部のMRIやCTを撮ると、異常な骨の一部も写るために「線維性骨異形成症では?」と言われることも多くなりました。
私はいつも「その通りです」と心の中で叫んでいます。笑
骨の成長も成人になれば止まるはず、痛みも出ないはずのこの病気ですが、私は例外として生きています。
ただ、線維性骨異形成症と診断され、しかもその場所が顔や頭だと、本当に体験談を見つけることが難しいのです。
・・・
何ができるかわかりませんが、線維性骨異形成症の体験として知りたいことをお寄せください。
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あなたの知りたいことに答えさせてください。
お待ちしていますね!!